2005.4/17
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(以上#1) |
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峠には更に奥へ伸びる行き止まりダート枝道への分岐と、さくら湖など秩父側諸施設への距離標識がある。立って景色を眺める程度の道ばたから先、前述の名栗湖から関東平野に続く大展望が見事だ。冬などは本当にしばらく立ちつくして見とれてしまうほど素晴らしい。今日はその拡がりも霞と花粉に包まれている。
ダート林道側では車で来たのか、おじいさんと孫らしい2人がシートを広げて弁当を食べている。展望もイマイチだし、彼らのじゃまをしないよう峠の反対側で落ち着くことにした。秩父側も谷間のダイナミックな展望が素晴らしいのだ。
3つ買ったおにぎりの2つを食べていると、少し寒くなってきた。出発が遅かったので、ここはぱぱっと下ってしまおう。
下り始めると、すとんと落ち込んだ谷底の見通しが良い。その先の谷間には、これから下って行く道の続きがかなり下の方に見える。あんなに下ってしまうのだ、と思った。
切り立った岩場に張り付いて、道はけっこうな斜度でくねくね下り続ける。けっこうな激下りと言っていいだろう。
この秩父側下り区間は、岩場の道だけあって非常に崩落が多い。今回も崩落こそ無かったが、ちょっとした落石は珍しくなく、路面には岩がごろごろしていたり岩屑が溜まっていたりした。また、北側斜面だけあって日陰に雪がこってり溜まっている箇所もあった。
谷底に降りてから、川俣の集落で斜度は一段落する。新しいトンネルの脇に分岐する細道に張り付いた山里では、桜やコブシやレンギョウが満開。
青空と斑の春の山を背景に、明るい陽射しに照らされた春いっぱいの風景が楽しい。
その先も狭くて深めの谷に更を下り続け、間もなく緑色の水面が拡がって、秩父さくら湖を通過。浦山ダムが見えはじめた辺りで入ったトンネルを抜けると、唐突に秩父盆地へ下るつづら折れが始まった。
浦山口駅の手前で集落の中へ、国道140に平行して続く道を横瀬へ向かう。
更に脇道に入って札所にもなっている小さなお寺で水をもらったり、農家の庭先に続くような細道を辿ったりしてのんびり進む。
秩父盆地ではさすがに桜は散り始めているようで、至る所に花吹雪が舞っていた。しかし、それ以外の花はまだまだ絶好調で、春の花、新緑、そして路上の札所巡りの人々と、なかなかにぎやかで楽しい道だ。
13:30、影森発。西武秩父線をアンダークロスし国道299を経由。横瀬から集落の中を少し北上して、北前峠林道へ向かう。
この道は10年弱ぐらい前に一度通ったきりだった。通ったこと自体は覚えていたが、景色には全く記憶が無かった。特段記憶から蘇ったのは、取り付き部分の建設会社資材置場ぐらい。
記憶が無い通りにボリュームも斜度もそこそこ、閉鎖的な杉林に時々開ける展望、自転車乗りにとってはすべてが穏当な林道である。
北前峠というのか峠部分を越え、一旦下りが始まった。こんなに下るとちょっと効率は悪いかなと思い始めた辺りで、ようやく丸山林道に合流。こんな辺りもこの道がマイナーな理由だろう。
合流点はちょうど桜並木が続く、斜度が緩む手前辺り。わざとらしくない程度に程良くばらばらな間隔の道ばたの桜は、ほぼ満開状態だ。
満開は高篠の集落が途切れてつづら折れにさしかかる辺りまで続いたが、その先は6、7分程度になった。すると今度は木々の芽吹きが目立ちはじめた。その辺りで秩父盆地方面の展望が開け、なかなか楽しい道である。
記 2005.4/20