北海道Tour05 #0 出発

赤は今回の経路 #4 2005.8/16 紋別郡西興部村西興部 瀬戸牛峠にて 今年も暑かった北海道でした RICOH GR1 GR28mm1:2.8 CTS200

 例年、北海道前はついだらだら予定を決めずに時間を過ごしてしまう。その結果、1週間前になってようやく焦って宿に電話を掛けたり、前日に慌ててサイドバッグに荷物を詰め込むので、足りない物は現地で購入する羽目になったりする。歯ブラシ・虫除け・洗面具は言うに及ばず、以前はコンタクト用品一色を現地購入した。
 今年こそはその轍は踏まないと、固い決意で早くから準備を開始。行程も比較的早く決めてしまった。どうせ悩んでも悩まなくても、行く場所はあまり変わらないのである。

 出発2週間前になった。いつもこのタイミングで北海道車の1号車に前後キャリアを装着、その週の自転車通勤で慣らし運転を行うのが通例だ。その感触では、もうだいぶ使っているALPSタイヤが帰って交換ぐらいの減りなのと、ちょっと後ろ変速が甘い他は、ほぼ絶好調のように思えた。とりあえずALPSタイヤは予備として仕入れておくことにした。

 持ち物の準備は早めだったが、北斗星の寝台券がなかなか取れないのには気を揉んだ。1番早い北斗星1号だと苫小牧で室蘭本線各停に乗り継ぎ、早来で降りることができて都合がいいのだ。ところが今年は、20分遅い北斗星81が10日前を切ってようやく何とか取れただけ。それもここ数年取れていたB個室ではなく、開放B寝台。
 2日前になっても遂に1号は取れなかった。今まで新幹線での北斗星仙台捕縛乗り継ぎでは、1号以外使ったことがなかったと思う。でも、思えば以前は所定の休暇に有給を付け、木曜か水曜出発だったのだ。これだと確かにより切符が取りやすかったのだ。まあ、よく考えてみると、1号早来発と81号の南千歳発は1時間も変わらない程度だろう。それなら経路次第で何とかなる。何も気を揉むほどのことは無い。

 出発の週になった。週頭から早めに荷造りを進め、もう荷物を入れたサイドバッグを自転車に取り付けてしまう。4サイドのランドナーは出発の気分と決意を盛り上げてくれる。
 ついでに念のため、以前チェーンが食い込んでスポークが削れていたため、後輪ホイールを2号車と振り替えてみた。ところが、何と今まで付いていたホイールの軸が折れていたことが判明。背筋がひやっとした。おまけに軸は大丈夫な2号車ホイールも、先々週の夏沢峠でスポークのリム側がちょっと曲がっていた。基本的に折れにくそうな場所ではあるが。
 更にサンプレRDのプーリーゲージが傾いている。根本のボルトが緩んでいるのを発見。変速の切れが何となく甘かったのはこれだろう。これもプーリーゲージを丸ごと外してチェック後、再度バネを掛けて組み直した。
 今回はいろいろあるな、と思った。どうも雰囲気があまり良くない。

 出発当日が来た。東京発は18:56のはやて29なので、4サイドで自転車出勤、そのまま定時とんずら&出発ということになる。
 ところが朝起きてみると、何と雨がしとしと降っている。これでは普段は絶対やらないびしょ濡れ出勤だ。一気に目が覚めた。
 雨が弱まったのを目がけて早めに出発すると、会社までは何とか首の皮1枚で雨具が要らない程度の僅かな雨で済んだ。でも、天気予報によると、今日の東京は曇り後午後から雨。会社では自転車は外に置くことになる。

 結局その後、日中雨は降ることは無かった。外の天気を気にしつつも定時即とんずらの準備を順調に着々と進め、自己最速記録で17:35過ぎには会社の通用口を出ることができた。もうあとは頭を切り替えて、ひたすら東京駅へ向かうのみだ。
 ところが、自転車に乗ってペダルを踏み込むと、ギヤチェンジの弾みかチェーンがエンドとギヤの間に入ってしまった。勢いで踏みこんだチェーンが、食い込んで引っ張っても外れない。
 落ち着け。一度サイドバッグを外し、後輪クイックを緩めてチェーンを外す。この期に及んで面倒臭いが、これが一番確実なのだ。この間10分弱が経過。出発前に要らぬ時間を食ってしまった。
 次から次へとなかなかいろいろあったが、でももう出発なんだもんね。その後は何も考えずに一目散に東京駅へ。

 灼熱と混雑の東京駅は順調に出発。往路に読んだ某情報では、埼玉は大雨のこと。ふーん、東京は曇りだったけど、東京駅まで降られなかったのはラッキーだったんだ、と思った。果たしてその通りに、小山や宇都宮辺りでは滝のような水しぶきの中を、しかしながらはやては何の遅れも無く突っ走る。頼もしいぞ。
 仙台着は20:37。北斗星81は仙台発21:43。1時間以上余裕があるが、重い荷物を持っての乗り換えが大変なのに変わりは無い。在来線の改札で特急券を見せると、駅員さんが言った。
「北斗星81号ですか。埼玉県内の大雨で、氏家で立ち往生しています。1号も大幅遅れです。カシオペアは定時で抜けられたんですが。詳しい情報が入り次第随時ご案内しますので、待合室でお待ち下さい」

 一瞬運休を覚悟した。まあそこまでの事態には陥らないだろうと思い直し、とりあえず待合室に荷物を置いて、動いている北斗星1の空席をチェック。が、空きは無い。まあ当然だ。出発前あれだけ取れなかった北斗星1号なのだ。
 その後、ホームレスみたいな酔っぱらいがやかましい待合室から、北斗星の乗客だけ駅の会議室へ案内されて待機。22時過ぎに北斗星81は運転再開、一時は仙台到着2時というアナウンスもあったが、結局1時過ぎに205分遅れで何とか乗車することができた。

待てど暮らせど北斗星は来ない 夜も更けて諦めムードの特設待合室 写真を撮ったら睨まれた 深夜人気のないホームに待望の北斗星到着

 5:30。目覚めると、窓の外に明らかに関東とは違う雰囲気の森と茂みが続いていた。いつも北海道に来たことを実感する瞬間だ。ところが、緑の中の民家の密度が何かおかしい。建物も何だか北海道らしくない。昨夜の遅れから考えて、この時間に列車が函館近くにいる訳が無い。そう、列車は未だに青森にすら着いていないのであった。なかなか手強い。
 列車が青森に着くと、ホームの向かいには北海道からの乗り換え客でにぎわう特急つがるが見えた。1週間後、北海道から帰ってきた自分を想像した。今回はどんな北海道になるのだろうか。

 朝食の食堂車は青函トンネルの中。こういうのも今までにないパターンだ。トンネル区間を抜けた知内で定食の最後のコーヒーが無くなったが、今度こそ正真正銘の北海道の風景だ。北海道上陸の気分だけはいつもと変わらない。
 朝食後にようやくシャワーを浴びることができた。すっきりしてB寝台に戻り、ちょっと寝て起きると、今度こそほんとに函館の市街地が始まっていた。
 函館到着直前、窓の外をスーパー北斗がむなしく通過していった。津軽海峡線内の列車交換で遅れは更に拡大していて、約220分遅れ。函館着の時間次第では乗り継いで少しはスピードアップできるかと思ったが、甘かったようだ。

大沼公園周辺 次第に周囲は山の中 黄色いオオハンゴンソウも目立つ 駒ヶ岳と赤井川の広々とした畑 初渡道時の懐かしい風景そのまま

 函館発は8:38。七飯から大沼までの見下ろす広々とした畑、曇りっぽくはあるがすっきりくっきりと立ち上がる駒ヶ岳、その裾野の広々とした牧草地。みんな普段は早朝通過でしばらく見ていなかったが、初渡道時の感動を懐かしく思い出させてくれる風景だ。
 そんな気分に浸っていると、車内放送で各駅到着予想時刻の案内があった。南千歳着は13時ちょうどとのこと。ええー!遅い、遅すぎる!しかし定時の9:10に220分を足して、もう少し余裕を見込むと、確かにそんなもんなのだった。南千歳から更に石勝線に乗り継いで占冠スタートを考えていたが、それも下方修正である。
 時刻表を調べると、後発の北斗5の方が早く札幌と南千歳に着くようだ。どう考えても、北斗星81はどこかで抜かれることになる。車掌さんにどこで乗り継げばいいか聞きに行くと、急ぎの客への北斗5号乗り換え措置を照会中とのこと。結局、南千歳の一つ手前の苫小牧で乗り換え、特急料金は不要ということになった。

苫小牧到着 北斗に乗換 北斗5が南千歳到着 南千歳のホーム 来てみれば空、緑は青々と、いつも通りの北海道

記 2005.8/22

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Last Update 2005.12/26
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