四国Tour04 #2-2
2004.5/2 日和佐→土佐山田

赤は今回経路 灰色は既済経路

日和佐→(国道55)北河内→(県道19)川口→(国道195)出会橋→
(途中まで#2-1)(国道193)剣山スーパー林道分岐
→(国道193)出会橋→
(途中から#2-3)(国道195)大栃→(県道217・220)蕨野
→(国道195)朴ノ木→(県道218・市道)土佐山田・高知市内

168km+13km

板州木頭川沿い 登りが一段落した所でニューサイ写真

 木頭の外れから本格的な登りが始まる。いくつかトンネルを抜けながら相変わらず広い道が少し続くが、谷が更に狭く深くなるとともに、四国らしい細道に変わった。

谷のどん詰まりで大轟の滝 そこからつづら折れで登って滝を見下ろす 岩に張り付いた急坂 今まで上ってきた道を見下ろす
谷底からどんどん上昇

 その細道の続く谷が、切り立った岩壁で突如遮られると、大轟の滝である。滝は岩を回り込むように流れ出していて、下から豪快な岩場と滝を眺めることができる。
 国道の細道は岩の壁に張り付き、岩壁に阻まれた谷を見下ろしながら、3段のつづら折れ激坂で一気に岩壁を登り切る。登り切った岩のてっぺんの隙間を抜け、一度少し拡がった渓谷をまた遡る。

大轟の滝を登り切ると斜度が一段落 川面に近い渓谷の道 大釜の滝脇辺り 垂直に切り立った岩に位置が張り付く
雰囲気が良いのでニューサイ写真 緑の中、び激坂が始まる

 その先の大釜の滝手前では、再び細道が岩壁に張り付いて岩の隙間をくぐり抜けるような道となった。その岩がまた見上げると頭上にオーバーハングしているかのようにすら見える程、切り立った高さのある岩なのだ。滝を挟んで正対する岩も、高さ・ボリューム・質感と言いど迫力だ。渓谷も、見下していると落っこちそうで、多少恐怖を感じる。
 思えば前回、確かに楽しかった印象はあるが、一気に下ってしまったようで、これ程のインパクトは記憶に無い。そういう先入観で来る方がじっくり眺められるぐらいの、迫力満点の風景だ。

大釜の滝を過ぎるとぐいぐい激坂で登る 一見平和な道みたいだが結構厳しい坂 谷底の板州木頭川もぐいぐい登る

 大釜の滝から先、渓谷が再び拡がった。渓谷とはいえ、もう道路との落差は無い。さっきのような恐怖を感じることは無くなったが、坂の斜度はさらに厳しくなっていた。標高が上がっただけあり、新緑が生い茂る初夏のような下界の風景とは違う、春先の風景がそこにあった。例によって青緑色のようなカラマツも目立ち始めていた。

いよいよスーパー林道分岐 とりあえずスーパー林道へ進むが、行く手に濃灰色の雲が 冷たく強い風も吹き荒れている 見るからにやばい これがッ!剣山スーパー林道だッ!

 10:15、剣山スーパー林道分岐到着。見上げると、土須峠へはまだ少し登るようだ。いや、地図では少しなのだが、けっこう高い位置にここから続いているはずの道が見える。

 そのままスーパー林道に入ると、こちらももはや12〜3%程度はありそうな激坂が続くようだ。
 突然、雨が降ってきた。いや、それまでも時々水滴程度は感じていたのだが、今回のはぱらぱらとはいえ「雨」と呼べる程度のものだ。多少強いぐらいだった冷たい風も、かなり強く吹き荒れるようになっている。見上げると、山の上の方が急速に暗い雲に覆われ始めていた。
 何台かのオートバイが通り過ぎていったが、この辺が潮時だと思った。今回は引き返そう。

下り始める くねくねとジェットコースターみたいな細道 一応国道の証が立っている

 スピードを出しすぎないように注意しながら、今まで来た狭い道を戻る。登りが厳しく長かった分、斜度が急でボリュームもあり、なかなか下りごたえがある。大釜の滝と大轟の滝、それぞれ迫力のある渓谷の部分は、それぞれが地形の落差の一番上の部分で岩の狭い隙間をくぐり抜けるので、上の谷底まで下りきってまた広い谷間に放り投げられるようだ。空は相変わらずどんよりと暗いが、とても楽しい道だ。でも、晴れているともっと楽しいのだろう。2001年の土須峠の下り、新緑が輝くような下りが印象に残っている。

下る下る、谷底へまっしぐら 再び大釜の滝付近 岩に張り付く道 岩の隙間をくぐると広い谷へ放り出される
けっこう長い下りである

 いつの間にか道は広がって下りの斜度が緩くなり、木頭の集落を抜けて板州木頭川沿いに進み、11:20、出会橋着。結局登って下って3時間。この後は激細の国道192で海岸に抜け、前回から懸案の室戸岬を周回して奈半利あたりから高知まで輪行する、という手もある。しかし、今から海岸まで下りきって、早くても14時か、妥当な線だと15時前ぐらいがいいところだろう。その後も室戸岬を回って奈半利まで、結構ある。この雲行きだと海岸沿いの強向かい風で、さらに遅れるかもしれないのだ。
 明日以降の旅程もある。ここは大人しく高知直行にしよう。大人しく高知直行とはいえ、まだ高知までは100km以上、徳島と高知の境の四つ足峠まででも30kmぐらいあるのだ。

再び木頭に降りてきた 後は国道195に合流するまで下る一方 と思っていると長く感じるだらだら下り 雰囲気は決して悪くないが峠道の厳しい表情の後では多少冗長

 前回貯水量が少なくて、地表に現れた川底が何とも異様な表情だった那賀川の長安口貯水池は、今回は満水である。山間に蛇行するその豊かに湛えられた水際を、国道195はトレースしてゆく。

満水の湖水 国道193・195の合流点 記憶通りの黄色い鉄橋 橋を渡るとすぐ狭いトンネル しばらく進んで旧道らしき細道に入り込む

 所々では新しいトンネルや橋で小山や川の湾曲した大回り区間をダイナミックにショートカットする。そうかと思えば、次第に高度が上がった辺りでは突如道が狭くなったりする。朝のうちに通った下の方では、広い道にやや埃っぽい表情があったが、こっちはなかなか楽しい道だ。国道195はこういう区間があるから交通量が意外に少ないのだろう。

しばらく雰囲気たっぷりの道が続く あれれ、畑に入り込んで… 抜けられると聞いて進むと鹿除けフェンスが 吊り橋を渡って ようやく国道195に再合流 弱い雨が降り出していた

 途中で雨がほんの少しだけぱらつくことも何回かあったが、雨宿りが必要なほどではなく、何とか県境まで首の皮一枚で切り抜けつつあるようだった。

貯水池の脇で雨をやり過ごす 幸い強くならないうちに止んだ 川沿いに断続する森と集落 歩危峡 雰囲気良好 歩危峡をバックにニューサイ写真 落ち着いた町並み 道が狭くなる 四つ足峠が近い

記 2004.5/8

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Last Update 2004.6/14
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