2004.11/27
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(以上#1) |
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達磨山の山肌を巻きながら伽藍山へ登って行く道は、東の修善寺の谷に開けている。伊豆の山々の稜線がほぼ水平に見え、その下には谷間の展望、後ろには富士山も。これらがすべて連続して見えるのだ。
達磨山が終わって伽藍山に移る辺りでは、すとんと一気に落ち込んだ真下に戸田の町と駿河湾、遙か向こうに遠州方面の陸地や、海から直接立ち上がるような南アルプス、中央アルプスが全部見えた。雪を被った3000m級が、ところどころで突出している。展望台の地図で照合すると赤石岳は確認できた。後で合流したさんぽさんによると、北岳も見えたらしい。
遠景も素晴らしいが、周囲が開けているので、これから先の行く手の道も見渡せる。まさにスカイライン、空の中を行くようなダイナミックな景観である。
伽藍山の脇、開けた土手のような鞍部を過ぎると、おもむろに下りが始まった。標高900mを越える西伊豆スカイラインの最高地点から、標高700m強の船原峠まで一気に下ってしまうのだ。
下る途中の正面に向って開けた展望は素晴らしい。近くの山々、駿河湾の近海が明るい光の中でよく見渡せる。正面彼方は少し開けていて、一目でわかる牧草地が拡がっていた。斜面の形に見覚えがある。確かに仁科峠だ。伽藍山と仁科峠の間が船原峠で落ち込んでいるので、何とこんなに手前から仁科峠の牧場が見えるのだろう。よく考えるとたしかにそういう位置関係ではある。
11:40、船原峠着。噂に聞いていた旧道の通行止めを上からちらっと眺め、そのまま登り返しを開始。さすがにそろそろちょっと空腹感を感じ、登り初めてすぐに休んでおにぎり補給してしまったりするが、まあこの後の松崎回転寿司「ととや」がある。あまり腹を満たすわけにはいかない。
杉林の登りには、もう真っ白で穂が飛び散りそうなススキが目立つ。多くの場所で林に遮られてあまり展望は開けず、細かいアップダウンが何回かあったり、棚場山を抜けるトンネルがあったりして、さっきまでの西伊豆スカイラインとは景色の趣は異なる。
3年前の訪問で感動的だった、見返り富士山と駿河湾から南アルプスが見える場所でも、すっきりくっきりの展望が楽しめた。
ただ、いくら標高が高くても、朝の海岸沿い県道17や、さっきの西伊豆スカイラインの方が、山々は大きく見える。
風早峠から仁科峠までもうあと少し。と思わないとくじけそうなほど、開けた山肌の直登のような登りは長く見える。修善寺側の展望もいよいよここが最後である。低木帯と牧草地の上の仁科峠の向こうは、もう南伊豆エリアの松崎へ下るだけなのだ。
12:40、仁科峠着。今日最後の見返り富士山、宇久須方面へ一気に下る谷と駿河湾の濃厚な紺色をちょっとだけ眺め、おもむろに下り始める。
確かここから松崎へはけっこう長い下りである。回転寿司を食べることを考えると、もはや14時集合のタイムリミットだ。
記 2004.12/8