2004.4/18
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(以上#1) |
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対岸へ突入すると、奥牧野へ向かう県道35は再びぐいぐいと登り始めます。
激坂をある程度登ってから激細くねくね道に。鳥の声が響く森の中を抜け、春先の草花が咲き乱れる小集落をつなぎ、山間を綱渡りのように進んでいきます。
細いのと山間の小集落をつないでいるためか、やってくる自動車は皆無。今までも素晴らしい雰囲気の道でしたが、もう段違いに静かでのどかな道が続きます。多少のアップダウンとともに入れ違いに現れる森と小集落は、進むにつれ鳥の声と木々や草花に包まれ、まさに春爛漫。
やがて周囲が開けて、秋山街道の谷間に到着。そろそろお昼になろうとしていました。今までよりは開けた谷間は、陽差しと春霞でふんわりほわんと明るくまぶしく暖か。朝の早出が効いてこの時間にこの場所、気持ちの余裕も楽しい気分を盛り上げます。
道をつなぐように秋山街道をすこし進み、標識に従い集落の片隅の民家の間から再び山間の細道へ入り込みます。激坂を少し登って到着した舟久保では、あまりに春一杯の山里にしばし足が停まります。急斜面に張り付いた集落に、菜の花や桜や春の花、庭先や山々の新緑、そしてウグイスやホトトギスや様々な鳥の声。そしてその向こうには、斑になった新緑の山々が。
舟久保から先、相変わらず道は森と山里をつないでいきますが、谷間はいよいよ狭くなり、道も次第に荒れてきます。登り基調のアップダウンで高度も次第に上昇。
それにしても、山里でも森の中でも、行く先々で静かな谷間に鳥の声が響き、花も新緑も勢いよく茂り、春の力強い光が溢れ、何とも楽しい道です。古くから関東のサイクリストにはおなじみのこのエリア、まだまだ奥が深いと痛感します。こんなに豊かで美しい表情を見せてくれるとは。
谷の奥できりきりっと激坂が続き、天神隧道を抜けたところで藤野からの道に合流。むしろ藤野方面に向かってみたいような気もしますが、多少埃っぽくなった道をそのまま下ると、池のようなダム貯水池、奥相模湖に」到着。
ここで少し休憩です。朝から続く激晴れで、周囲はもはや暖かくというより暑くなっています。まだ4月中旬なのに、気温も光の強さもはや初夏みたい。
休憩後、桜吹雪の中を対岸へ登り返して道志街道に合流。いよいよ道志川の谷です。
合流地点では、足柄から自走の井上さんに合流。いつもながらの自走参加、ご苦労様です。
さすがに国道、今までの道より交通量はぐっと増えますが、まあそれも何とか許容範囲内。それよりも、昔からの谷間の1本道だけあって、断続する集落の風景はなかなか楽しく、独特の落ち着いた雰囲気に昔のツーリングを思い出します。
両国橋から先山梨県に入ると、道志街道には道志みちという愛称が付いています。谷底の両国橋から少し登って高度を上げた道からは、今までよりも多少拡がった道志川の大渓谷に谷間の拡がり、そして対岸の犬越路への道が見渡せます。
見下ろすほどの大渓谷だった道志川は、気が付くといつの間にか高度を上げ、道の脇の川になっています。川沿いにしばらく続く道志村中心地にはキャンプ場や旅館が多く、やはりこの辺りでもかつてのツーリストを思い出します。
とはいえ、この辺りは15年ぐらいまでまだ集落の中の細道ダートがずいぶん残っていたものでした。今はだいぶ雰囲気が変わって、直線主体の普通の国道になってしまっています。
15:00、道の駅どうし着。立ち食い軽食ぐらいはできそうなのでここでちょっと休憩に。と、到着するなりayakoさんが物陰でしゃがみこんでいます。かなりつらそう。
それもそのはず、川越からここまで小休止だけで9時間ほぼ走りっぱなし、獲得標高差は約2000mにもなっています。ここから後、もう少し先から山伏峠へ登りが始まり、山中湖から富士吉田へ下るわけですが、この先山伏峠までの登りはなかなかボリュームはあります。一方で黙っているとayakoさんは意識が無くなるまで走ると言いそうだし、この道の駅が山中湖まで最後のタクシー捕縛ポイントになりそう。
というわけで、タクシー輪行でお送りすることに。
結局都留からタクシーを呼んで、16:00、道の駅発。やや傾いて赤みが混じった光の中、道坂峠をタクシーは越えていったのでした。
都留着は17時前。ちょうどそのころ、本隊も無事富士吉田に到着したとのことでした。
記 2005.2/19