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2004.5/15
南アルプス林道
北沢峠 #3

波高島→(国道300)上沢→(県道37)奈良田(以上#1)
→(県道37)広河原(以上#2)
→(南アルプス林道)北沢峠(以下#4)
→(南アルプス林道)戸台→(黒河内林道)黒河内
→(国道152・町道)→(県道209・伊那自転車道)竜東橋
→(県道18・市道・国道153)伊那市
  113km

迸る野呂川、迫る岩山

広河原から登り始める 湧き水ポイントで休憩 ここの水はうまい 谷間の展望が開ける

 早邦建設の作業所を過ぎてすぐの所の水場で、楽しみにしていた水を汲む。やはりここ数日の雨のせいか水量は多いが、さすがに下界と同じく少し透明感には欠けるような気がする。

 その先から、いよいよ迫力の渓谷が始まる。

振り返るとこんな感じ 谷間の空中を行く道 奥へ奥へ 残雪の山をバックにニューサイ写真 再び登り始める まだ先は長い

 奥へ奥へぐいぐい遡る野呂川、渓谷から切り立つ黒々とした岩山。その岩にはけっこう大きなはずの針葉樹がまるで苔のように張り付いて、何ともスケール感が狂いそうだ。

残雪から迸る沢 何度見てもスゴイ 法面強化に覆道 仙丈ヶ岳がちらちら
がらがらの岩面に張り付く樹木 岩に張り付く道

 駆け上がるように高度を上げる谷に張り付き、林道もどんどん高度を上げる。林道側の斜面は露出した岩が崩落し、岩の表情を更に荒々しくしている。

崩落が止まらない 有名箇所 またまたニューサイ写真 斜面もガードレールもボロボロ 通行止めの理由が何となくわかる
新緑の道 なおも続く崩落の道

 さっきまでと同じ野呂川の谷だが、道路脇の木々は燃え上がるような勢いという程ではなく、芽吹きのニュアンスが漂う淡い色彩だ。

急登りが続く これぐらいの落石は珍しくない ぐいぐい高度を上げる野呂川
角度によって仙丈ヶ岳が登場 異様な明瞭さ それにしてもこの辺は坂が厳しい

 崩落のある岩場を過ぎると、谷の向こう側、針葉樹林の奥に残雪の仙丈ヶ岳が見えてきた。残雪と標高のせいか山の近くは空気が澄んでいるようで、濃淡の緑の木々の向こう、黒と白の明瞭な姿は何とも力強く神々しく、辺りを睥睨しているように見える。

次第に姿を現す仙丈ヶ岳 振り返っても圧倒的な南アルプス 鳳凰三山? 仙丈ヶ岳をバックにニューサイ写真
もう写真撮りまくり 道が下り始める まもなく野呂川出会

 13:05、切り立った岩に張り付いた道が下りだし、行く手のカーブを回り込むと、正面の向こうに出会橋が見えてきた。野呂川を遡る北岳への道と、北沢に沿ってこのまま長谷村へ抜ける道が分岐するのだ。
 去年少しだけ入った北岳への道は、入口のゲートを眺める限り今年は更に荒れている雰囲気だ。今日の主目的はあくまで北沢峠なので、一瞥して北沢方面へ向かう。

出会橋に到着 野呂川と分岐した北沢を眺める 少し登って出会橋を振り返る

 ダート、舗装が何回か交代しながら、今までより間近に流れを眺めて次第に高度を上げて行く。坂は厳しくなっているが、谷が浅く樹種も変わり、ダイナミックで猛々しい岩や濃い緑の強烈な色彩は姿を消し、風景の印象は落ち着いたものとなった。ふと、急に自分が息苦しくなり始めていることに気が付いて標高を実感する。

再びダート出現 結構登りが厳しい 谷の表情にさっきまでの猛々しさは無い

 だらだらではあったが今まで60kmも登りが続き、広川原を過ぎてしょっちゅう写真撮りで立ち止まっていたのもあり、なかなか思うように前へ進まない。ぼうっとした頭で前回見上げた甲斐駒を思い出しながら進む。

甲斐駒を探して進む 甲斐駒が見えだした

 中央線側から眺める黒いシルエットからは想像も付かない、白い岩石を頂きに抱いた甲斐駒が山の向こうに現れた。ここから先はいよいよ北沢峠まで最後の区間、針葉樹林の中のダートである。

 ここまで登ってくると、さっきまで轟音を上げていた北沢が、もはやちょろちょろした森の小川になってしまっている。その流れもすぐに聞こえなくなり、しんとした森の日溜まりには山鳥の声が響くだけになった。

いよいよ峠まで最後の区間  針葉樹林の静かなダート 峠到着

 14:05、北沢峠着。峠の長衛小屋の窓に白熱灯が光っていた。明らかに人がいる。でもまあ、2度目で度胸が付いていたためか、今回は峠の道標前で写真を撮影した後、速やかに長野県側に降りることにした。

峠の広場 長衛荘には灯りが 道標前で写真 これがっ!これが北沢峠周辺だっ! 下り始める

記 2004.6/26

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Last Update 2004.6/30
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