2004.11/3
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下仁田からは10日ぶりの県道45である。そう高くない周囲の山々には、妙義荒船林道と同じく、確実に紅葉が始まっていた。3日後には更に再びこの道を通る予定だが、そのときには更に紅葉は進んでいるだろう。
磐戸で県道45は前回向かった塩ノ沢峠方面へ向かうが、今回は田口峠方面への県道93をもう少し遡上する。あまり集落が途切れない谷間がもう少し続き、まもなく着いた大日向で、細い谷間の羽沢桧沢林道に分岐。
分岐してすぐ、前回の塩ノ沢峠と同じく急に斜度が増す。のみならず、上手の集落の大仁田では、更に斜度が厳しくなる。大仁田を登り切って現れた正面の岩山は切り立っていて、顔面にはやはり鮮やかに紅葉した木々、これから向かう御荷鉾林道と分岐して下って行く道が張り付いていた。その御荷鉾林道も、ずいぶん急な斜度に見える。一方分岐する道だが、あんな道地図には出ていない。
その先でいよいよ御荷鉾林道に合流、大仁田ダムの前を通過し、垂直に近いような角度で切り立った山肌を巻きながら、ぐいぐい高度を上げる。
彫りの深い岩山の道からは谷を巻いた行く手の道がかなり上に見えたり、今まで通ってきた道がかなり下に見える。景色だけならなかなか楽しい。今まで登ってきた谷間も、周囲の木々の隙間から見下ろすことができる。
厳しい登りが続き、途中で道はダートに変わった。周囲と同じく、辺りの山々も紅葉に彩られていた。下仁田へ続く谷は晴れているようで、暖かそうな陽射しまで当たっている。
しかし行く手の稜線には、かなり低い位置に濁った雲がまとわりついていて、しかもその端はすぐ手前だ。いつ雨が降ってもおかしくない状況だ。
しかも大仁田ダム辺りから続く登りと、その多くの部分を占めるダートのおかげで、あまり行程は稼げていない。この分だと塩ノ沢峠15時がいいところだろう。となると、上野村で16時前、そこから神流湖、皆野へ出ると18時過ぎ、いや、19時になる。奥多野街道の万場から先、神流湖、鬼石から皆野は初めて通る道になる。この峠含みの初めての道で、ナイトランはできれば避けたい。
幸い、上野村から群馬藤岡へバスが出ているという話を聞いていた。上野村中心部まで降りても多分全然余裕で16時前、最悪このバスの最終には乗れるだろう。
大きく入り組んだ紅葉の山肌を巻きながら、しばらく登りが続いたが、やがて稜線の開削された岩を通り抜け、行く手は下り始めた。ごつごつ突出した西上州らしい岩山の先端、赤や黄色の紅葉の木々の中を、道は細かいカーブでくねくね抜けて行く。身体に当たる風は、上野村の谷らしく明らかに向こう側より気温が低い。あまり風を受けたくないのもあって慎重に速度を落としながら下る。
真下に塩ノ沢峠の峠道らしい道が見えてきた。水平距離でいうとすぐ近く、地図通りならもうすぐ塩ノ沢峠だが、あんなに下の道と合流するのである。まあそれもそのはず、確かに急な下りだ。
15:00、塩ノ沢峠発。峠道はやはり10日前より遙かに紅葉が進んでいた。
前回遠くの風景に見とれていて気づかなかった岩山の上、さっき走ってきた御荷鉾林道を、今回は途中で確認することができた。そうか、こういう位置関係なのだ、と思った。
一気に下りきり、15:20、国道299に合流。
神流川の緩い下りの谷に奥多野街道は続く。堂所・楢原・乙父ととりあえず旧道に足を進めると、集落の中の道には夕方の仕事帰りのおじいさんや割烹着姿のおばさんが目立つ。また、塩ノ沢峠からかなり下ってきたにも係わらず木々は黄色く色付き、集落に川に紅葉、谷間の楽しい風景が続く。
しかし、曇りのせいもあり、谷底の奥多野街道は急に暗くなってきていた。
谷を登ってくる小型の路線バスとすれ違ったところで、近くのバス停で時刻を確認。と、まだかなり余裕があった。これならしばらく走れる。しばらく万場辺りまで走り、そこで手を打つのが適当だろう。
登り返しの無い緩い下りをどんどん下り、16:45、万場着。バスの時刻を見ると、17:20。輪行して前の萬屋でカップ麺ぐらい食べるとちょうどいい時間だ。
とは思ったが、萬屋のレジでは部活帰りの高校生達とかち合ってしまい、私までお湯は回ってこなかった。
記 2004.11/22