2004.11/3
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1時間ぐらい進んだ辺りで、以前インターネットで読んだ記憶がある、担ぎ登りで乗り越えないといけない土砂崩れも登場した。頻繁に現れるもう少し程度の軽い土砂崩れに、「この中のどれかだったらいいのだが」等と甘いことを考えていたが、なかなかそうは問屋が卸してくれないようだ。
足下に注意しながらよじ登った岩の上では、真下から眼前に拡がる谷間の風景がど迫力だ。もちろんちょっと足を踏み外すと、数10mぐらいの落差でバウンドしながら谷底へ落ちてしまうだろう。
土砂崩れを越え、稜線が一度道まで降りてきて、今まで山肌の向こう側だった北側の谷間を見下ろす千駄木山の手前を過ぎると、ますます質の悪い道になった。
行く手を完全に塞いでしまう背の高い草、法面保護の金網ごと崩壊して大きく道にせり出す山側の岩。どこかでちらっと読んだ「廃道寸前の道」というフレーズを思い出した。いや、これは廃道そのものだ。
それにこれだけいろいろ次から次へと現れるので、一向に行程を稼げていない。もはや11時。12時までに妙義荒船林道の全区間をこなし、下仁田へ降りてしまうという計画は、もはや下方修正が避けられない。というより、これだけ遅れてしまうと、あきらめもつきやすいというものである。
道は一旦舗装になったが、木の根が這っている細かい隆起と亀裂が絶えず続く。エッジの鋭い岩が多かったり、倒木や大きな枝が道を塞いでいたり、押しが多いのも相変わらずだ。おまけにここへ来て坂の斜度はかなり厳しくなっている。まあ、道が張り付く岩山が、濃い赤や黄色に紅葉した木々で彩られているのが救いではある。
再びダートが始まり、大きな谷間を大きなコンクリート橋とトンネルでダイナミックにつないで行く上信越自動車道を見下ろすと、間もなく11:25、県道43に合流。こちらはちゃんとゲートが閉まっている。県道43のまともな舗装道路に合流し、一安心しながらおにぎりで補給。
先の山の上に神津牧場らしい牧草地が見える。なるほど、目の前の道を進むとあの辺りまで行くのである。しかし、今あそこまで行くと、確かに特に難所と言うべき箇所も無く順調に行けるだろう。
となると、その後は国道254で群馬県に降りるか、同じく国道254か県道44で長野県に降りるしかない。国道254はけっこう交通量が多く、まあそれは多少我慢できるとしても、どちらへ降りても多分14時過ぎ。そこからどこかへ登り返すにはちょっと時間が遅く、とはいえそこから帰るのには早い。降りた場所も何となく中途半端なような気がする。
今日は雲も多いことだし、このまま妙義荒船を進んでも、得るものはあまり無いだろう。なら気持ちを切り替えて、ここから下仁田へ向かい、御荷鉾林道に向かうことにしよう。まあ全線完走はとても無理だろうから、ちょっと入って適当なところで出れば、次回訪問の予備調査にはなる。
県道43はなかなかの激下りが続く。登りでなくて良かったと思いながら、ブレーキをめいっぱい握ってそろそろとつづら折れを下りきる。
麓の集落芝ノ沢では奇岩と言っていい岩山が紅葉に彩られて、辺りを囲んでいた。そのまま一段落した下りを、ブレーキをかけずにどんどん下る。
藤井で国道254に合流、当然のように国道らしく埃っぽい風景の中を更に下りきり、12:20、下仁田着。
記 2004.11/22