赤は本日の経路 濃い灰色は過去の経路

2004.11/3
妙義荒船林道・御荷鉾林道 #1

横川→(町道)国民宿舎裏妙義→(妙義荒船林道
途中から#2)和美峠下→(県道43)藤井→(国道254)下仁田
(以下#3)→(県道45)磐戸→(県道93)大日向→(羽沢桧沢林道)大仁田
→(御荷鉾林道)塩ノ沢峠→(県道45)楢原→(国道299・462)万場

100km

国民宿舎裏妙義手前

 しばらくご無沙汰の間に目を疑う立派な橋上駅舎に変わってしまった箱根ヶ崎を、5:09通称「画期的な八高線」で出発。「画期的」なだけあって、高崎着は始発新幹線より早い。その結果1本早い列車に乗継ぐことができ、横川着は7:19。

久し振りの箱根ヶ崎 闇の中のまばゆい橋上駅舎に我が目を疑う 高崎駅 横川到着 自転車組み立て完了

 今日は晴れの予報だが、列車から見えた近くの山の裾には雨雲がたっぷり残っていた。横川を出発する頃には何とかなって欲しいが、空は一向に明るくなる気配が無い。のみならず、窓には時々水滴が確認できる。まあ、勢いよく雨が降り出すという感じは無いが。

横川出発 と、有名なアプト式ラックレールの溝蓋 横川から妙義荒船林道へ 赤は本日の経路
これがその溝蓋 鉄路は消えても溝蓋は残る

 7:45、横川発。やはりすぐ降り出すという感じでもない。
 信越線のガードをくぐり、国道18号を超え、しばらく麓の農村を進む。前回の訪問からわずかの間に、西上州の紅葉は谷間に降りつつあるようだ。農村の道はしっとり黒く濡れている。雨上がりらしく、紅葉、柿、秋の花、いろいろな役者の共演が落ち着いた色彩の賑わいを醸し出している。

信越線をくぐる 国道18を横断 谷の向こうへ渡る 杉林をぐいぐい登る
路面はびっしょり 今にも降り出しそう でものどかな晩秋の農村風景が続いて気分は上々

 杉林の中、道の斜度が多少厳しくなり、中木ダムを通過。木々の間から姿を現わした裏妙義湖は、湖というより池という程度の山間の小さな湖である。その湖岸に張り付いて道は進んで行く。湖のこちらも向こう岸も、岸辺の木々はしっとり艶やかに色付き、所々に釣り客が繰り出していた。

裏妙義湖 湖というか池 釣り人多し 少し遡った国民宿舎裏妙義の手前辺り
細長い谷通りにいつまでも湖が続く さっきまでの登りの分(?)湖沿いは平坦

 「国民宿舎 裏妙義」という看板を過ぎた辺りで、道はダートに変わった。そこには予想通りゲートがあったが、そのゲートは何故か完全に開いていた。事前調査では妙義荒船林道の最新状況がはっきりせず気を揉んでいたが、とりあえず今日は予定通り入ってみよう。

ダート区間入口 何故かゲートは全開 今にして思えば不正進入車が入ったままあけ放しだっただけかも 落ち葉は多いがおとなしめのダートが続く取付部 次第に道が落ち葉に埋まってゆく 天気はイマイチだが紅葉は絶好調 枝線林道分岐 道を間違っていないかちょっと不安に 次第に道が狭くなる

 狭い谷間のせいか、雨に濡れたダートは丸く小さな石が多い。坂の急な箇所で小石が路面に露出しているのは、この手のダートで毎度のことだ。その小石が丸いのと、表面が濡れているのと、さらにその上に溜まった落ち葉で、結構滑りやすくなっている。空転が始まったところで、押しに切り替えた。

川沿いにどんどん遡る もはや落ち葉に埋もれた道 でもまだ車の跡が 斜度が次第に激しいものに 写真だとわかりにくいが周囲の木々には朝露

 低い雲が頭上に溜まってはいるが、落葉のため、谷の狭さと木々の密度の割に道は明るい。路面の落葉は濃淡の茶色で、時には大きな灰色の朴葉がたくさん落ちていたりして、落ち葉の隙間の小石とともに、路面をグラフィカルに装っていた。

静かな渓谷に紅葉 周囲も静か 落ち着いた晩秋 色とりどりの落ち葉模様 色彩豊富でグラフィカルですらある
多少霧が晴れてきた 頭上を覆う広葉樹もすっかり落葉完了

 谷の一番奥で道が折り返し、岩山の山腹を巻きながらぐいぐい登って行くのもいつも通りだ。空の雲は切れだし、時々雲の隙間から青空が見えるようになった。陽射しも出てきている。

折り返してぐいぐい登り始める 道も更に険しくなる ところどころで路肩崩落も 落ち葉に埋もれた登りが続く 更に森が深くなる やがて周囲が開ける 俄然陽差しも射し始める

 9:20、トンネルを通過し、松井田町から下仁田町へ出た。

町境のトンネル 名前は見なかった 町境から千駄木山下経由で和美峠下へ 赤は本日の経路
トンネルの向こうはとりあえず斜度が一段落 明るい道に一安心 だがまだまだこんなもんではないのだった(笑)

 道は再び向きを変え、斜度は多少緩くなった。地図で位置を確認すると、どうやら大きく湾曲した山肌、稜線近くの区間に入ったようだ。

斜度が緩くなったとは言え登り基調のアップダウンが続く 下側は急に落ち込むため、周囲の山々が一望 これは凄い

 周囲の木々の隙間からは、湾のように大きく落ち込んだ谷間の空間、反対側の山々、そして山の間、下仁田方面へに消えて行く集落が見える。

山肌に忠実に張り付いた道からは刻一刻と変わる周囲の景色が 道は次第に荒れ路上には土石流の痕らしい土砂がそのまま残る 両側の茂みが濃くなってきた
再び登りが厳しくなってきた 荒れた狭い道

 登り基調のアップダウンが続く。相変わらず路面は荒れ気味なのに加え、所々で沢を伝って土砂が道に溜まっていたり、路肩が抜け落ちるようにすかっと崩壊していた。崩壊箇所や土砂崩れを通過するたび、周囲の茂みは両側から道に向かって張り出し、行く手を遮るようにすらなっていた。

それでも茂みの向こうに大展望が 茂みの影に黒い物体 熊じゃなくて単なる岩だった 道が尾根から谷に入ると周囲は雑木林に ごつごつした岩場の間を通り抜ける 紅葉に大展望 つくづく晴れていたらと思う またまた土砂崩れ登場 一つ一つが次第にでかくなる

 何か明らかに獣が潜んでいそうな茂みの中、時々大きなバッタのような独特の羽音をさせて、山鳥がすぐ近くから飛び出す。その度にどきっとする。熊よ、頼むから登場しないでくれ。

べこべこのガードレール 落ち込んだ谷 次第に濃くなる茂み そろそろやばいかもしれないという気分になる 岩場に溜まった土砂崩れの痕 バイクは絶対通行不可能 完全に茂みに埋もれた道

記 2004.11/22

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Last Update 2005.1/2
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