鴨川→(県道247・町道)新屋敷→(県道89)坂本 |
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12月としてはここ数年珍しい雪の翌日早朝、地元駅への道は路面凍結状態。新宿もぐっと据えた寒気に覆われていましたが、茂原を過ぎた辺りから次第に太陽が強くなってきました。そのまま列車が南に進み、大原辺りでは、いつものように黒潮らしい鮮やかで濃厚な紺色の海が見渡せたのでした。
安房鴨川にはじんたんさんが先着。駅前は陽差しがぽかぽか暖か、これなら当初予定の内陸方面も、路面凍結は全く問題無いレベルでしょう。一同自転車を組み立てたり、駅前のパン屋で物資を仕入れ、10:00、鴨川発。
県道247で海岸沿いらしい雰囲気の町中を抜け、ぐいぐいっと岩場の上へ。さすがに日中最高気温予報10℃、いつもの南房総より確かに寒いですが、その寒さにもあまり迫力はありません。
地図で嶺岡中央林道を眺めているうちに気が付いた谷間の農村の1本道、県道89は、手持ちの1/5万図よりもだいぶ県道の拡幅が進んでいました。
しかし道を選んで旧道の集落に進むと、地図の印象通りのどかな集落の細道が続くのでした。「走っているうちにタイヤが外れる」という、最近の私のあまり聞かないトラブル対応などもあり、ゆっくりのんびりと谷間を遡ります。
程良い広さの谷間の農村は、常緑樹の緑が力強く、冬というより晩秋のイメージ。でも、妙に人気が無い畑や作業場など、やはりそこはかとなく年末の雰囲気が漂います。何と言っても12月30日。
代、仲町と道を遡るうち、次第に谷が狭くなり、両側の山が近づいてきました。レモン色の夏みかんみたいな柑橘系の畑や水仙の花にきょろきょろしながら進むうち、ぐっと谷間が狭くなり、登りの斜度が多少増してきます。辺りは相変わらず農村ですが、棚田や杉林が増え、周囲の葉が落ちた山肌も近づき、谷間の寒気で多少気温も低く、晩秋から冬に景色が変わった感じ。
棚田と杉林の登りが続き、次第に周囲には水仙畑が目立つようになります。「甘い香りが漂っている」とはayakoさん。
高鶴山の北側を坂本まで登り詰めた後、目の前に谷間が拡がりました。そのまま下ってゆく県道89か、ここで細道の県道272へ分岐するか悩ましいところです。でも、この際地図で見て谷間の形に変化がありそうな県道272へ。
この道は大当たり。最初は狭い谷底の細道、その後は開けた谷間の中腹、農村の生活道路が続きました。
暖かな陽差しの下、畑の至る所に水仙の花が満開。
広い谷間へ下りきって畑で五十蔵方面へ分岐してからも、緩やかに登り返しつつ棚田と水仙の風景は続いたのでした。
緩やかな谷の上に拡がる棚田と水仙畑の上っ縁の向こうは、このコースのハイライト、のどかで静かな山間の谷間がいきなり拡がります。突然開けた大空間に一同歓声。尾根上の山道への分岐らしい場所には「花嫁街道」の看板が。
五十蔵の集落を抜けると、下り続けるにもかかわらず再び谷間は狭くなり、その細い谷が終わったところで放り出されるように広い県道186に合流。
少し悪あがきして旧道らしい細道に入ったりすると、農家の庭先の餅つきや牛小屋など楽しい風景がありました。しかし旧道はあまり長続きせず、いつの間にか空には雲が増えていて、太陽は現れたり隠れたり。
さっきまでの暖かな楽しい細道と多少気分も変わり、小向ダムの脇から上三原へと一気に下り続けます。
谷間から広々と開けた平野部へ、更にしばらく下り続け、南三原で再び海岸沿いへ、今度は県道297の1本北側の細道です。
南房総らしい低い林の中、バブル別荘の廃墟のような塀が現れたり、サーファーが車を止めて着替えていたりする道を進み、ローズマリー公園で少し休憩。
記 2004.12/31