松之山温泉→(国道403)天水越 |
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澄んだ空の中、日本海に浮かんだ佐渡が見える。弥彦山も長岡方面の賑わいも見える。黒姫山と米山の間の凹みに何本か見える送電線は刈羽原発のものだろう。
今日ずっと見てきた、昨夜の雨で澄んだ空気の中の風景が、高い雲の下に拡がっている。さすがに八海山や駒ヶ岳辺りになると頭が雲の中に隠れているが、今日は本当に見晴らしがいい。空気の澄み方では過去最高ではないか。
見下ろす山はまだ紅葉というわけではないが、そろそろ木々が色付き始めていた。麓の田圃はまだ刈り取りが始まっていないところがほとんどで、黄色い稲穂が鮮やかである。
昼食にはかなり早いが、しばらく絶景の中でさっきの水を沸かし、ラーメンやコーヒーを作って過ごす。峠には時々近傍市町村の方が車で訪れ、風景を眺めては帰っていった。
11:30、深坂峠発。ブナ林の中を野々海池まで降りる。夏にジャングルのようだった野々海池から峠までの林は、今回はややボリュームが減っていたが、替わって3〜4分ぐらいの紅葉がそろそろ賑やかになっていた。茂みの中のようなダートは尾根部分の平場をくねくねと少しづつ緩やかに登り、野々海峠まで登り返す。
野々海峠の下り、北側斜面のつづら折れでは、さっき深坂峠から眺めたような雲の下の大展望が拡がった。
かなり切り立った斜面に張り付く道には、道路脇の突起物以外のフェンスが無い。急な折り返しもあり、もともとあまり速度を出せる下りではないのだが、景色を眺めたり写真を撮ったり、しばらく止まってはちょろっと進み、また止まってというのが続いた。
こっちの斜面からは西側に拡がる上越平野が、北側は日本海の青い海が間近に見える。東頚城丘陵の森が終わり、黄金色の田圃が続き、その向こうは直江津や高田の町である。
急斜面に張り付くつづら折れが終わり、菖蒲高原までの中腹部分辺りの杉植樹帯や道ばたのススキの中を更に下り、12:30、菖蒲高原牧場着。
ここの食堂「ベルハウス」で十割蕎麦とつまみ餃子を食べつつ、今後の予定について協議する。もう昼過ぎだ。3時頃にはほくほく線の駅に着こう、ということになったので、休憩時間を除くと2時間も走れないだろう。残り時間から言うと、登り返しが少なくて適度に遠くて、更に「道の駅安塚」の蕎麦が魅力的(今食べている途中ではあるが)な、伏野・真荻平経由虫川大杉終着というパターンが適切だろう。7月に通っているのでボリュームはわかっているし、良い道は何度来ても良いのである。
13:10、菖蒲高原牧場発。
中腹の道は信越国境の山々を急斜面を仰ぎつつ、背の高いススキの穂の中を西に進む。時々杉植樹帯をかすめたりもするが、ほぼススキが続きながら軽い僅かな登り、少し下り、その繰り返しで次第に高度を下げながら西へ向かう。
標高がだいぶ下がったので、深坂・野々海峠のような大展望は望むべくもないが、むしろ里山や棚田に近づいた状態で次々入れ替わる展望が楽しめる。そうかと思うと、キューピッドバレイスキー場辺りでは、ちゃんと日本海も見ることができた。
キューピッドバレイスキー場を過ぎると、しばらく緩い下りが続く。ススキの茂み・杉林・広葉樹林・里山の谷間ところころ風景が替わり、行く手の斜面に伏野の集落が見えてきた。
14:15、伏野着。そのまま典型的な頸城の集落の中を伏野・真荻平と下る。道ばたの櫓で干してある稲など秋らしい情景が多く、その度に立ち止まって眺め入る。それでもあっと言う間に国道403に合流。
道の駅安塚には小さな市のような物産店と軽食がある。ここで堀内さんに教わって、3人とも一日十食限定という蕎麦を食べる。さっきも菖蒲高原で蕎麦を食べたばかりだが、歯切れが良く、蕎麦の味が濃厚で、なかなか美味しい。安塚の野菜がごろごろ入っているという「野菜カレー」も美味しそうだった。こっちは次回の課題である。
道の駅を出るとすっかり空の雲が切れていた。まだ15時台なのに真っ赤っかの夕方の農村を更に下り、安塚の町を過ぎて、虫川大杉着15:25。
記 2003.10/13
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Last Update 2003.10/28