小松→日ノ浦
(以上#2-1)
→寒風山隧道
(以上#2-2)
→自念子ノ頭
(以上#2-3)
→土小屋
(以下#2-5)
→河口→七鳥→下畑野
103km
ルートラボ
標高1620mのピークから先、眺めや地形図の通りに道はけっこう勢いよく下り始めた。こちらも先のことはあまり考えず、いや、多少は登り返しの事を考えてどきどきしつつ、当面は下るに任せて稜線近くを回り込んでいった。
▼動画33秒 転落が怖い まだ稜線が続いてるじゃねーか(笑)
次第に見え始めた次の稜線は、何とまだまだしばらく、というよりはるか彼方へ延々と、同じような高さで続いていた。いや、上下しながら少しずつ高度を上げていっているっぽい。稜線には、岩山の険しい表情と所々に続く道が見えた。愕然とした。地形図通り、まだ町道瓶ヶ森線稜線区間の半分も来ていないことをよく理解できた。
まさにこれからもう一度1500mぐらいまで下ってから、再度瓶ヶ森下の1700mまで登り返すのである。いや、瓶ヶ森自体は地形図で眺める限りそんなに遙か彼方というわけではない。むしろその先の、下り基調区間にあるシラサ峠、よさこい峠、土小屋までのアップダウンを、甘く見ていたのかもしれない。それほど、事前計画での印象と、目の前の風景は違っているのだった。
落ち着け。まだお昼だ。何とでもなる。
落ち着いて、というより全てを心静かに受け入れる気になって腹を据え、空中に浮かぶような周囲の山々を見下ろし、次々に姿を変える行く手の荒々しい岩山、稜線近くに続いてゆく行く手の道を眺め、ゆっくりゆっくり焦らずに脚を進めていった。
意外にも、というか脚を進めてみればやはり瓶ヶ森はそう遠くではなかった。
12:40、瓶ヶ森下着。標高1720m、今日の最高地点だ。ああ、近くで良かった。あまりの展望にちょっとビビりすぎたかもしれない。
少し向こうに、道が行く手の稜線を乗り越えているのが見えた、稜線自体はその先まだ更に高度を上げてゆくように見えた。しかし、ここが町道瓶ヶ森線の最高地点のはず。
果たして稜線の向こうにも下りは続いていた。一度落ち込む稜線を挟み、正面に小持権現山がぶつかりそうに迫っていたが、道は意外にも小持権現山へ登り返すこと無くあっさりいつの間にか山肌を巻き、更に上下に開けた空間の中をつづら折れで一気に100m下っていった。落ち込む道の外の高度感と、これから現れる登り返しには少しどきどきしていたものの、結局最初のルートラボの印象通り、シラサ峠への下り基調区間に入ることができていたのだった。
シラサ峠には「山荘しらさ」という建物があり、ここで「JAZZを聴きながらカフェでゆっくり休憩」できるとツーリングマップルには書いてあった。ちょうどお昼を過ぎたところで腹は減りつつあり、立ち寄る時間には事欠かない。しかし、肝心の建物に人気が全く無いのでは仕方無い。ここでの昼食をあてにしていなくて良かった。昼食自体は、この先面河渓まで下ってしまえばどこかに何かが必ずあるだろう。
シラサ峠から再び登り返しが始まった。瓶ヶ森から少し下ってきただけで身体が冷えて登り返しがしんどくなっているものの、例によって例の如く目一杯ペースを下げて進めばいいだけの話。そして周囲には木々が復活していて、伊予富士〜自念子ノ頭辺りの迫力ありすぎの風景が少しはごく普通の稜線林道の風景に戻っていて、気持ちは落ち着いていた。
阿伊吹山を巻いて下り始めた道は、よさこい峠と少し先の名野川越を通過後、またもや登り返しに移行。もう次のピークは瓶ヶ森線終端の土小屋。これが瓶ヶ森線では最後の100m登り返しのはずだ。ぐっと斜度が上がった岩肌の登りは、しかし所詮120m、そして予定通りの順当な登り返し。まだかまだかと思っているとすぐじゃなくても、腹を据えてじっくり行けば、意外に早く前方に駐車場が、その向こうに建物が見え始めた。
13:30、土小屋着。町道瓶ヶ森線、ど迫力の道だった。
今日はもう石鎚スカイランを標高400mの七鳥まで下り、200m登り返して宿に着けばいい。距離はあまり把握していないが、宿手前までの200m登り返し約10kmと石鎚スカイライン途中の100m登り返し以外はひたすら下るだけ。極めて単純な、そして楽そうな行程だ。
こういう状況で何とまだ13時半。そしてレストハウスには「軽食」という文字がみられる。渡りに船、もう何か食べるしか無い。肉うどんを頂き、出会ったロード乗りから行く手の情報収集後、更にぽかぽかの屋外でソフトを追加。広場の反対側には石鎚山登山口もあるが、石鎚山往復の時間を確認する気持ちは全く無い。まあ、後で調べたら片道2時間だったし。
記 2017/5/26