頸城の秋05 #2
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朴の木→(市道)経塚峠→(国道405)切光→(市道・農道)樫谷 |
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6時過ぎに起きてみると、昨夜の天気予報通りに空はどんよりと雲が低く、辺りはかなり薄暗い。おまけに突風のような変な強い風が吹き始めているようで、窓の外では時々ぴゅーっと音がする。元校庭の広場に面する窓から外を見ても、辺りの山の木々が揃って首を振っている。昨日の暖かい爽やかな天気が信じられない。
このまま天気予報通りだと、今日は昼過ぎから雨が降るらしい。そうでなくても、このどうしようもない曇りに強風だと、走ってもろくなことが無さそうだ。
そうなるとあまり急いで出発しても仕方無い。美味しい朝食を食べて一息付いて、のんびりと好転しない空模様と風を伺う。
まあ何とか明るくなった8:30、朴の木「カルチャーセンター田舎屋」を出発。
辺りの紅葉はまだ6〜7分ぐらいだが、今年の紅葉はなかなか鮮やかだ。時々にょきにょきと固まって立っている濃い緑の杉と、茂みの白いススキの穂との競演が賑やかだ。しかし、空には強い風が木々から引きちぎった葉が飛び交い、路上には落ち葉や枝が散乱しているのが何だかものものしい。
朴の木から谷間を回り込み、対岸を少し下った菅沼の集落を過ぎると、棚田の向こうの木々が開け、すとんと落ち込む安塚の谷間が拡がった。朴の木から少し下ったせいか、空の雰囲気は多少は好転しているようにも思える。
宿を出た段階では虫川大杉へ直行する気になっていた。が、せっかくなので、経塚峠を上越方面に下り、今まで訪れたことが無い牧方面を少し回り道してから浦川原に下ることにした。
まず高谷、切光と細道国道403をそのまま進む。山間の集落の民家の間をくねくね抜けつつ、牧の谷間を見下ろす国道403の雰囲気はなかなか悪くない。
しかし、途中切光から急に拡幅済区間に突入。地図を見ると、この先国道403はずっと幅広のようである。そこで川上で細道に逸れ、七森へ向かうことにした。
今まで専ら訪れていた東頸城丘陵の中央部、松代や松之山、大島辺りの入り組んだ急峻な丘陵と較べ、この牧はやや丘陵の形状が緩やかであるように思える。坂の斜度自体はあまり変わらないのだが、見下ろす谷間の景色がやや広いのだ。
その谷間は、まだ紅葉2〜3分というところ。一方、さっき朴の木で吹いていたような嫌な風は、相変わらず時々突風のように吹き荒れていて、ところどころで路上に落ち葉や杉の枝が散らばっている。
1/5万で細道のはずの道が拡幅されていたり、集落の外れの分岐が見つけられなかったり、自分の位置を見失ってしまったりで、時々道を間違いながら泉へ。
広々とした谷間が緩やかに下ってゆく牧の景色。やはり松之山や松代辺りの急峻な丘陵よりなだらかで開けている。そんなことを考えて立ち止まっていると、またもや冷たい風が木の葉を吹き上げる。
何となく、そろそろ今日は潮時かもしれない。そのまま下りきってしまうことにした。
樫谷、大月の丘越えから、神谷、平山へ、そして坪野の谷間へ一気に下る。
狭い谷間だが、これだけ下るとすっかり周囲は里っぽく、辺りは紅葉と言うよりまだ緑っぽく、さっきまでの寒々しさからは逃れられたように思えた。
11:30、浦川原着。列車は11:44なので、余韻に浸る暇は無く、速攻で輪行開始。
浦川原では余裕が無かったものの、松代で交換・はくたか通過待ちの間にいつも買って帰る「もぐら汁」の缶詰を仕入れることもできた。今回の旅の大きな楽しみの一つが、無事果たせたと言える。
昼前の早すぎる撤収のようにも思えたが、越後湯沢に着く手前で早くも雨が降り出してきたのだった。
記 2005.11/25