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昼食の長い待ち時間の間、地図を見ながら作戦会議。
冷えた身体にはお店のストーブが暖かく有り難く、「このまま修善寺方面へ下って適当な温泉を経由、Fサイ御用達の反射炉地ビールで反省会」という案もなかなか魅力的ではありました。でもまあ折角ここまで来たのだし、時間は腐るほど余っているので、「標高500m強程度の国士越と300m強の冷川峠で伊東に向かおう」ということに。
伊東なら帰りはJRだけなので、交通費的にも有利。一石二鳥の案です。
12:50、湯ヶ島発。さっきの昼食で私だけ食べた大盛り南蛮で、腹の中はがぼがぼ。にも関わらず、湯ヶ島の外れから早くもぐいぐい登りが始まります。集落にはやはり梅の花。何となく道端には草の緑が目立つような気がします。普段はきっと暖かいのでしょう。
見上げる天城方面の山々はまだしつこそうな雲の中で、何となく嫌な予感がしますが、まあ国士越はせいぜい標高510m。あまり極端なことにはならないだろうと信じて進みます。
果たして登るとともに周囲は集落から杉林になり、顔には細かい雪が当たるようにはなりましたが、それもさっきの仁科峠への道と比べてだいぶ減っています。
斜面の杉林には、昨年伊豆全域に大きな被害をもたらした台風の爪痕が至る所に見られました。崩落の痕やなぎ倒された木々等…。道路際だけ鋤き取られて木の根の部分がオーバーハングした法面には、つららが垂れ下がっていました。
13:40、国士越着。峠部分は雪の粒がぱらつく程度の天気で、これからの下りは全く問題無さそう。特に広場も何もないその峠部分、道の脇に建つ道標で標高510mだけ確認して、とっとと下り始めます。
少し下ると、筏場のわさび田に到着。
国士越から山腹を下ってきた峠道が谷に降りたところで出会うこのわさび田は、その枚数1500余枚とのこと。看板には日本一のわさびの里中伊豆町とあります。
わさび田の上にかかった林道のコンクリート橋からは、渓流から始まるわさび田のてっぺんを上流側に、その反対側には谷の下方へ消えてゆく下流方面を、ずずずいっと見渡すことができます。また橋の下、足下には澄んだ水と青々としたわさびの葉が何とも爽やか。
わさび田を眺めてから再び下り始めると、大見川沿いにしばらくわさび田が延々と続きます。
そのままどんどん下ると、今までの谷間は一気に広がって、周囲は農村風景に。時間的な余裕と里に下りた安心感で、のんびり下ります。
道端に満開の河津桜を発見。思わず桜の下で記念撮影。
斜度が緩くはありますが、しばらく下りは続き、谷間は更に拡がります。
県道12への分岐間近な八幡に小さな物産店を見つけ、少し休憩。あんなに腹一杯だったのに何となく口が寂しいような気もしますが、とりあえず手っ取り早く腹に入りそうなものは缶飲料ぐらいでした。その代わり、地元の野菜にミカン、そしてちょっとだけ小振りのわさびが激安でした。みんなで2本¥300のわさびを買って、再び出発。
気が付くと空はすっかり晴れ、ここへ来てようやく南国伊豆特有の、明るく力強い陽差しが登場していました。
同じ県道とはいえ、修善寺から伊東へ中伊豆を横断する県道12では、さすがに県道59より車は多く、冷川まで少しの間我慢。それでも、冷川の伊豆スカイライン、そして中伊豆バイパスへの分岐から先はまあまあ静かな道が始まります。
冷川峠への杉林、枝は午前中の雪が解けたのか、しっとりと濡れています。しばらくだらだら続いた坂は、ある程度から先は斜度が増し、ぐいぐい登り始めます。
まあそれも標高なりにすぐ終わり、峠を通過。
切り通しタイプの峠には広場も標識も無く、取り付く島がありません。まああまり大したこともない峠なので、そのまま行く手の曲がり角の先の拡がり、標高差300mの展望を期待して、先に進みます。
ところが峠の向こう側は、しばらくだらだらした台地のような下りが続いたのでした。
だいぶ下ってようやく開けた伊豆高原の展望。すっかり晴れた青空の下、伊豆急線や車がせわしなく通る麓の賑わいに、伊東到着を実感します。
とともに、今回遂に到達できなかった南伊豆方面を眺めると、まだ雲の中の暗い山々のシルエットが見えます。何となくこれで諦めがついたように思います。
ちゃちゃっと下って、15:55、伊東着。例によって速攻で時刻表をチェック、熱海で東海道線快速に乗り継ぎができる16:18発に狙いを定めて輪行開始。
熱海では、伊豆急からJRへの乗り換えに、毎度お馴染みの民族大移動が起こります。ここでできさんとのえっちの高速連係プレイが炸裂。伊豆急の混雑で離れて乗っていた私が、申し合わせていた快速グリーン車におっとり刀で到着したときには、すでに2階建てグリーン車車端部の宴会部屋が確保されていたのでした。
また座席確保後、間髪入れずにできさんが階段を下りて駅弁調達へ。東京駅まで1時間45分、4種の駅弁に舌鼓を打ちつつ反省会となったのでした。
というわけで、仁科峠は撤退、南伊豆の花は見れませんでしたが、皆さんのおかげでとても楽しいツーリングになりました。
記 2005.3/7