四国Tour01 #8 2001.5/5 大洲→佐田岬→八幡浜

大洲→(県道234)平野
→(国道197)三崎
→(県道256・町道)佐田岬駐車場
→(町道?)佐田岬灯台
→(町道?)佐田岬駐車場
→(県道256・町道)三崎
→(国道197)八幡浜
130km

 

松山市内
10km

佐田岬

三崎

伊方

保内

八幡浜

大洲


 天気は何と無く明るいニュアンスの曇りで、それでもここ数日間では一番悪くない。6:15、大洲郷土館YH発。
 今日は松山18:14発のサンライズ瀬戸に乗らないといけないので、佐田岬往復+道後温泉で決まりだと思った。時間的な余裕があったら、佐田岬半島の尾根道を豪快に突っ切る「佐田岬メロディーライン」の直行コースを逸れ、海岸の漁村・漁港を結ぶ旧道へ足を進められるかもしれない。
 一昨日と同じようになんとなくすすっぽい国道197でまず八幡浜へ。

 7:00、八幡浜通過。
 佐田岬メロディーラインはダイナミックな坂、カーブ、橋、トンネルで保内・伊方と大きな漁港をかすめてから、一気に佐田岬半島の尾根に駆け上がる。後で時間があったら旧道へ行こうと思っていたのだが、メロディーラインの八幡浜から保内へ向かう区間だけで、車の多さには嫌気が差した。更に保内から伊方へ向かう交差点を過ぎても、車の減る気配はない。たまりかねて、国道197号の旧道に足を向けた。
 旧道は例によって細い道が海岸沿いの漁港・漁村から岬を越え、また向こう側の湾の漁港へと降りて行くといういつものパターンで、時間はかかったが、やはり走っていて圧倒的に楽しいのはこっちだ。しかも朝で、漁村には活気があった。

 伊方の町中を過ぎて、国道が再び坂を登り始めた。見ると、旧道からメロディーラインへの数少ない連絡道がある。頭上に見えてきた大きな橋の上から聞こえる車の通過音は、さっきよりもかなり少ないようだ。
 いけるかもしれない。そこで、メロディーラインへ戻ることにした。
 が、合流したメロディーラインは、全く自動車とオートバイのためだけのような道だった。確かにさっきの八幡浜→保内よりも自動車はかなり減ってはいたが、その分自動車の速度が上がっている。坂登りで勢いを付けるためか、脇をものすごい速度で車が通過して行く。恐怖だった。また、坂は5〜6%とそう厳しくはないが、なにしろ一直線の長い坂なので、くねくねと変化がある狭い道の10%と同じくらいの厳しさに思えた。その坂を登り切り、尾根のアップダウンの道路を見渡したとき、景色がいいとかいうより「勘弁してくれ」と思った。

 まもなく四国電力の伊方原子力発電所の脇を通過。尾根のメロディーライン沿いには、多分案内施設と思われる「伊方ビジターセンター」と道の駅が、隣同士に建っていた。道路の目隠しパンチング板からは、丸いドームに四角い箱、無数の露出配管がけっこう近くにちらっと見え、頭上の高圧送電線からは、生まれたばかりの高圧電流のばちばち小さな音が聞こえていた。空気中の放射能モニタリング施設も、小さいが物々しく見える。

 9:30、三崎着。
 港で漁協らしいテント売店があったので、立ち寄ってみた。サザエの壺焼きが\150、アワビの醤油焼きは\600。目玉は何と言っても半割\1000の伊勢海老丸焼きだ。もちろん伊勢海老を食べた。漁師さんたちがまるで町内会の出し物のように焼き物を売る傍ら、小学生〜中学生くらいの娘さん達がにこにこしながら「いらっしゃーい」と叫び、道行く人々にオレンジ1切れずつを配っている。GW期間中の臨時販売なのだそうだ。テント脇のベンチに座り、伊勢海老とサザエを食べていたら、オレンジを1皿くれた。これがまた最高にうまい。「じゃ1切れ」のつもりが、次から次とあっと言う間に1皿平らげた。

 10:00、三崎発。
 国道はここまでで、ここから先、灯台直前の駐車場までは県道256号を行くことになる。岬の港から県道は半島の中腹へぐいっと登り、今までよりも何かぐっと寂しいニュアンスの風景の中を進んで行く。
 岬に向かう道の風景は、どこの岬でも何か共通の最果ての雰囲気がある。何と無く寒々しく曇りだした空の下、豊後水道の真ん中に飛び出したこの佐田岬の場合、風や波等、今まで訪れたことのある岬の中でも、特に陸地の気候とは違うものがあるのかもしれないと思った。
 11:05、佐田岬駐車場着。ここからはいよいよ自動車・オートバイは入れない、徒歩の区間だ。おばあさんが入場者数を管理している。また、遊歩道入り口には何人か、オレンジを1袋300円で売っているおばあさんもいた。
 最後の最後で熱帯樹林の中の山サイである。でもまあ、ここまで70km走ってきたのだ。最後の詰めにはふさわしいぐらいなのかもしれない。山道は途中で石を埋め込んだコンクリート歩道になったりして、11:10、佐田岬灯台着。

 岬の先端部は何と無く寒々しい場所だった。灯台への道から分岐して海岸方面へ降りる道があったが、岩場の手前の防波壁に立入禁止の札があり、その奥には漁船が停まっているのが見えた。壁の向こうの岩場には、いかにも陸地の終わりという、決して気分だけじゃないテンションが漂っている。風景自体が何か1km手前と全然違うのだ。昨日の足摺岬だけではなく、北でも南でも最果ての地特有のこういう雰囲気は、一体何故なのか。
 単純に佐田岬に来ただけだが、何かこれを見ただけでいい、と満足していた。それよりも松山で道後温泉に入る時間を考えると、そろそろ時間的に潮時のようだ。ちょっと余裕を見ると、メロディーラインの最短コースを戻るだけで、もう精一杯そうだ。うだうだしていても仕方がない。時間が経つだけだ。
 11:15、佐田岬灯台発。

 12:30、三崎着。もう一度港の漁師さん達の売店でサザエとアワビを食べ、悪あがきしてそう影響の無さそうな区間だけ時々下の旧道を使い、14:45、八幡浜着。

 15:24の特急宇和海16号で松山へ向かい、最後は予定通り道後温泉「椿屋」へ。長年の念願の訪問を果たし、いいお湯でいい気分で足を伸ばした。

記 2001.5/6

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Last Update 2003.3/16
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