Joe Zawinul+The Zawinul Syndicate
/World Tour

ESC/EFA 03656-2

Joe Zawinul - key,vocal,p
Victor Bailey - b
Richard Bona - b,vocal
Gary Paulson - g
Manolo Badrena - perc,vocal,nolopipe
Paco Sery - dr,kalimba,vocal


 私の超超超敬愛して止まないJoe Zawinul大大大先生がまた日本にやってきます!
 今回は来日記念で、Zawinul Syndicate1998年のライヴ盤です。

 演奏内容はZawinul自身が「8:30よりいい出来だ」と言う程。そんなことをあっさり言われてしまうと、あのWeather Reportのあの超名作8:30の立場が無くなってしまうというものです。「8:30より上だって、そんなの嘘だろう」と思う人もいるでしょう。が、このバンドの97年4月来日公演を目の当たりにしたときの印象が、まさにその通りでした。「Zawinul SyndicateはWeather Reportを越えた」という。

 今この作品のメンバーを見返すと、凄いこと凄いこと。ベースがRichard BonaとVictor Baileyとで何曲かずつ入れ替わりますが、いずれにしてもZawinul Syndicate絶頂期を支えた鉄壁の5人です。でも、1997年4月、このバンドがRichard Bonaのベースで日本に来たときは、御大ZawinulとパーカッションのManolo Badlenaを除いて全く無名の人たちでした。
 Paco Sery?Richard Bona?Gary Paulson?何この人達?と、当時の新作、比較的かっちりした演奏の「My People」やSalif Kataの「Amen」とメンバー表を照合したりして、演奏の傾向を予測したりしたものでした。
 当時無名だったRichard Bonaは、その後自分のバンドで活動を始めます。が、並行してあのPat Metheny Groupに何とヴォーカリストとして加入、更にNHKみんなのうたに作品を提供するなど、あっと言う間に超人気プレイヤーになってしまいました。

 その1997年4月、渋谷quattroでZawinul Syndicateは、前記2作からの想像を大幅に越えたもの凄い演奏を聴かせてくれました。と言っても、Joe Zawinulの演奏は、Weather Reportの頃からスタジオ録音より圧倒的にライヴの方がいいのですが。
 曲目は主に前作から、Weather Report時代の曲も1曲、最後はお馴染みCarnavalitというZawinul Syndicateのいつものパターンでした。超絶テクだけじゃなく、曲に勢い・メリハリ・弾みが増し、同じ曲でもいろいろなパートが追加されてぐっと格好良く、1曲10分から20分以上というのもこれまたいつも通り。この時は特に、ワイルドで彫りが深く、大音量で自由自在にドライブするサウンドが素晴らしかったです。演奏が始まるともう止まらない、という感じでした。
 同じ時期のライヴ音源でもあり、この作品の全員一丸で力一杯エネルギッシュにドラマチックに盛り上がる演奏には、東京公演の時に嬉しそうな表情をしていたZawinulを思いだします。前述の「8:30よりいい出来だ」というコメントも、このメンバーでの演奏がZawinul自身にとっても素晴らしいものだったという現れではないでしょうか。
 ちなみにこの作品、輸入盤は2枚組ですが、国内版は何曲か抜いて1枚になっています。どっちが良いかというと当然2枚組。なぜこんなことをするのでしょう。

 ところで、メンバーフルチェンジの東京公演ですが…Weather Report時代から、Zawinulのバンドは初日より2日目、2日目より3日目というように、尻上がりに調子を上げるという印象があります。今回は初日横浜、2日目は東京で2セットという日程です。10月12日、ブルーノート東京で2セット。うーん、悩み中。

追記
 6年ぶりの日本公演、むちゃくちゃに良かったようです。やはり何を置いても行くべきだったと反省&さすがZawinul大大大先生。

記 2003.9/23

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