Joe Zawinul - elp,synth,vocal
Wayne Shorter - ts,ss
Alphonso Jhonson - elb
Jaco Pastorius - elb
Victor Bailey - elb,vocal
Chester Thompson - ds
Alex Acuna - perc,ds
Peter Erskine - ds
Omar Hakim - ds,vocal
Manolo Badrena - perc
Robert Thomas - perc
Jose Rossy - perc
1986年にTHIS IS THISというアルバムを出して解散した、WEATHER REPORT(以下WR)というバンドの、1974年〜1983年にかけての未発表ライブです。
去年、このアルバムが出ると聞いても、輸入盤発売の10/1に店頭で受け取るまで安心できませんでした(案の定予定ジャケットは変更されていたし)。何故なら、このアルバムの噂はいろいろと形を変えて、10年弱ぐらい前からあったからです。そして、途中まで企画が進みながら、いつまで経っても作品が我々の前に姿を現さないのは、リーダーの一人Joe
Zawinulが完璧主義者過ぎるからではないかと思っていました。私だけじゃなく、多くのファンがこの作品を心待ちにしていたと思います。
で、今回のアルバムでは、リズム・セクションが違う5種類のバンドの音源がごちゃ混ぜに入っています。不思議なのは、アルバム全体を通して違和感が全く無いこと。アルバム冒頭は一番古い1974年のバンドの演奏、2曲目は一番新しい1983年の演奏、3曲目はバンド絶頂期と言われた1980年の演奏なのですが、何だか時期もメンバーも違うのに、違和感がないんですね。とはいえ、5種類のバンドが全部没個性で似たようなものかというと全然そうじゃない。
耳にタコができるぐらい聞いたあのメロディが何でこんなに新鮮な演奏になるのか、決して懐かしいんじゃなくてものすごく斬新で原始的というか、ちょっと不思議なのですが、まあそれはいつものWR通りということなのでしょう。昔だってWRの新作が出たときに前作が陳腐になるぐらい新鮮な気分になったのですが、2つ前のを聞き直してみると、全然陳腐どころかむしろ斬新、というか全然変わっていなかったりして。
今回のも力一杯の演奏内容は期待通りに素晴らしいものでした。いや、期待を遙かに上回るというか、それはいつものWR通りというか、新作が出る度にわくわくしたあの興奮がそのまま帰ってきた感じ。
メンバーが個性をぶつけ合って、それでいて全体でびしっと統一が取れているという、人間関係のある一つの理想というか…WRは以前からそんな物を教えてくれてきたと思います。
というわけで、10月以来、家にいるときは、歓喜にむせびつつ必ずこのアルバムを聴いています。でも、あの海賊盤のあの音源は残ってないのか、Jaco・Erskine入りカルテットのコンサート丸ごとライブ盤が出るという噂は一体どうなっちゃったんだ…という気もしないでもありません。勿体ぶらないで全部出せ!
記 2003.1/12
Last Update 2003.1/12