2009/3/28
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上野→台東区→墨田区→江東区→江戸川区→葛飾区 |
2003年に一度企画したものの、業爆中止のままになっていた復活企画です。特に「役所が目的」というわけではなく、非幹線道路で23区の区役所所在地を回ることにより、
というのがコンセプト。このため、詳細コースは当日その場で決める、全部行けるかどうかも全然未定、夕方になったら無理せず適当に解散という、言葉通りのポタリングを目指しました。
結局23区巡りは新宿・文京・千代田・中央・港・品川・大田の7区が残り、16区までしか行きませんでした。しかし、目論見は大体当たった、収穫の多い1日でした。
まず、東京西部に40年以上住んでいながら、ほとんど行く機会がなかった東部の内陸を走ることができました。
区境や鉄道・大街道、荒川、江戸川、中川と大きな川を渡るごとに変わる町並み、町工場、密集住宅地、大規模開発のマンション等々。およそ坂らしい坂が無い地形のせいもあり、西部の住宅地とはまた全く違う肌合いで、荒川区まで戻ってきたときに荒川の橋の上から見えた埼玉方面の山々の景色が何とも懐かしかったほど。下町方面のトマソンや不思議看板等、街中オブジェの数々も楽しかったです。
新鮮だったのと同時に、何故今まで来る機会を作らなかったんだろうと思わせられました。
また、裏道で内陸を辿って大きな川を渡るコース取りの難しかったこと。加えて何となく判っていた中央部の距離感に比べ、江東・江戸川・葛飾・足立・練馬・世田谷等々周辺部の遠さは想像を遙かに上回り、江東・江戸川・葛飾などはそれぞれ1時間も掛かってしまった程。
というわけで、地図や鉄道車窓風景で見て判ったと思っていた東京の広さ、実態をつくづく感じさせられたのでした。
1m、場所により50cmで表現される等高線は言うに及ばず、4m以下の細街路、住宅1軒1軒に及ぶ建物の形、街路樹1本1本まで記載される精度を誇る国土地理院1万分の1地形図。世界一の地図ではないかと思います。この1万分の1地形図、今まで都内でのポイント探索や目的地まで行くのに使っていましたが、これを使って何かテーマを持って1日サイクリングしたら面白いだろうな、と思っていました。
今回1万分の1地形図を活用してコースを考えるために、緑道や川沿いを避け気味に途中のコースを組んでみました。くねくね路地や道間違いなどやや迷走気味ではありましたが、細くてくねくねなのに結構長続きする元水路らしき細道、商店街の表情、そして東京大空襲とセットで記憶にある地名の完全グリッド街など、東京の街並みは次から次へと想像を超えた新しい表情を見せてくれました。
12時を過ぎた段階でようやくまだ葛飾区、5区しかこなせていません。はやくも何となく諦めムードが漂い、いい加減腹も減ってきました。
「どこかファミレスでも入りましょう」
と言ったら、あれだけごちゃっとした地味な街や住宅街を通った後だからか、みんながみんな口を揃えて
「その辺の食堂でいいじゃん」
と答えたののが可笑しかったです。
区役所の建物もいろいろでした。今回東方面を回れたので、個人的には行ったことが無いのは千代田区新庁舎と品川区だけになりました。
ゴージャス系だと練馬区、大田区は必見。建築的に有名なのは村野藤吾大大大先生の目黒区に前川國男の世田谷区、佐藤武夫の中央区ですが、地図でカーブした平面を見て興味があった荒川区役所の佇まいがなかなか魅力的ではありました。
逆に際だって古いのは葛飾区、豊島区。これはこれで年輪を経た表情が豊かなので、今後ともポリシーを貫いていただきたいです。
断続する細道の地図読みではGPS端末が大活躍。特に今回2台も揃った自転車向けナビ機能付き機種が、どういうわけか細道主体のやたらとマニアックなナビをしてくれて、慣れない距離感の細かい地図読みに大きな力になりました。
距離感が無い状態で地図を見ながらのサイクリングには、小学生の頃のサイクリングの手探り感、わくわく感を思い出しました。
というわけで終日地図を見ながら気分で途中経路を決める完全なポタではありましたが、走行距離は85km。高速巡航はありえませんでしたが、狭い道や信号の発進停止が多く、距離以上にたっぷり感のあるサイクリングでした。
とはいえ23区制覇は未済。経路を見ると結果的に一部ジグザグ部分があるので、コース再考や集合時間変更も含め、日の長い時期にリベンジしたいと思います。
記 2009/3/29・31 編 2009/4/18