越後湯沢→(県道462・国道17・町道)石打 |
|
某導入促進事業の業務がとりあえず先が見える7月上旬。強制労働でささくれた心を癒すのには頸城の景色が一番。というわけで、緑の生い茂る夏の頸城を訪れてみました。
上越新幹線とほくほく線の連絡は始発非対応。十日町か松代まで列車では9時過ぎか10時前になってしまうので、今回は越後湯沢発として行動時間を稼ぐことにしてみました。それに朝早い方が涼しいですし。
というわけで7:40、越後湯沢発。
少し国道17号を経由して、石打から国道353へ。
交通量が減ってぐっと静かになる道に、ようやく今回もツーリングが始まった気分になってきます。
まずは十二峠トンネルへの登り。草木の生い茂った狭い谷間を遡り、どんどん高度を上げます。
夏の暑さで有名な魚沼丘陵だけあり、ここの登りで暑くて暑くて耐えられない年もありますが、今年はまだそんなことを考える余裕があるのは有り難いことです。
十二峠トンネルの向こうから本日最初のハイライト、魚沼スカイラインへ。
やはり木々と茂みが生い茂りむせかえりそうな中、初っぱなはぐいぐい高度を上げていきます。
トンネルの向こうだからか登ったからか、麓の石打に比べて雲は圧倒的に低く濃厚で、時々顔に水滴も感じます。
こういう空模様だと、楽しみだった魚沼盆地の展望もこの季節特有のオニヤンマの大群も望み薄のようです。ぎょろぎょろ目玉を動かして好奇心たっぷりに近づいて併走(飛行)してくれる大きなトンボに会えるのを楽しみにしていたのですが…。
斜度が安定して次々通過する展望ポイントでも眺めは全く冴えません。というわけで河岸を変えるべく先へ進みましょう。
大沢峠から県道★へ、信濃川河岸の土市へ下ります。
斜面から一度稜線を越える道に、ちょっと心配になって地図を確認したりして、更に下り続けると山間の鰍柄沢を通過。
これなら地図通りで一安心です。とともに、のどかな農村風景に気持ちが和らぎます。こんな道が走りたかった。
そのままだだっと下ります。野中、漆島、池之尻と意外に長い道のりです。
★:★、土市到着。信濃川沿いの国道117を少しスライド、県道285の姿大橋で信濃川を渡って鰕池峠方面へ向かいます。
姿、安養寺、新屋敷と対岸の集落を繋ぐ県道49へ。
宮中のわかりにくい交差点から鰕池峠下への登りが始まります。
谷間をそう厳しくない斜度で遡るうち、速く動いていた雲が切れてかっと日差しが照りつけ始めました。
途端にぐんぐん気温が上昇。というより耐え難い暑さを感じ始めました。だって今まで曇りだったら全然平気だったのに。
思えば魚沼スカイラインの登りからだいぶ標高は下がってきていて、時間ももう★:★。この季節で暑くない方が不思議ではあります。それにしても暑い。こいつはまずい、何とか野々海峠まで、いや、稜線の林道まで登って涼しくなるまで保ってくれ。
そうこうするうち何と行く手にダートが登場。うーん、道間違ったかな。
斜度が安定して拡がる景色にも違和感がありますが、地図を読むとまあこんなもんかもしれない、という気もします。暑くてなんだかどうでもいい気分ですが、もう少し先へ行ってみよう。
と思っているうち、地図に出ていない分岐が登場しましたが、これは多分信濃川と松之山の谷間の間の稜線に続く林道のなれの果てなのではないか。そう考えるとわかりやすい道です。
草刈り作業中のおじさんにも道を確認でき、安心しているうちに鰕池峠下に到着。この鰕池峠はもう少し稜線上を入ったところの上鰕池に向かう破線旧道にあるようなのですが、現代では道が東山に向かってしまうため、脇道となってしまったということのようです。
下り途中では道ばたに何か野草?(明日葉?)を干してあります。そろそろ里か。
と思っているうちに田んぼ、畑、そして人里が登場。東山に到着です。
更に下りは続いて東頸城特有の山肌の複雑な地層も見物でき、赤倉に到着。
赤倉からは県道427、坪野、五十子平と集落を繋ぐ細道です。
集落の中、けっこうしつこい登り基調が続きます。
ようやく斜度が安定すると国道353に合流。ところが、東川までは一気に急降下。せっかく赤倉から続いた登り貯金がここで一気にパーに。
東川の外れから再び信濃川河岸の間の稜線へ、登りが始まります。手持ち地図ではまだ道が無いのですが、さっきの鰕池峠のおじさんによると、すでに稜線に深坂峠に続く林道ができているとのこと。
登りが始まると途端に暑くて気が遠くなってくるのは、熱中症注意警報です。
中尾の集落でようやく登りは一段落しましたが、まだまだ稜線までは登らないといけなさそうです。
登り途中には木陰もあり、何とかふらふら首の皮一枚で登れています。
集落を過ぎて登るうち、ダートが登場。はらはらしながら進むとコンクリート舗装には変わりましたが、けっこうあやしい道なのは相変わらず。ほんとにこの道は続いているのか。おやじふかしてないか?
暑さで頭もぼうっとしていますが、眺めもだんだん良くなり、まあ道なんてどうでも良くなってきます。
やがて尾根の林道に到着。良かった、やはり思惑通り林道が通っていました。
これから深坂峠まで稜線の登りとなります。舗装も復活しますが、手持ちの地図ではまだこの道が出ていません。
さっきの鰕池峠あたりもそうでしたが、少しずつ稜線に林道を通している途上なのではないかと思われます。
ぼうっとした頭で道の形と地図を照合して少しずつ登っていきます。
ブナの森の中からは、さっき魚沼スカイラインの700m以上辺りで聞こえた★エゾハルゼミの声が響きます。
新緑の色ととても似合うこのセミの声、初夏のサイクリングの楽しみの一つですが、魚沼スカイラインから少し北のこの辺りでは標高600mより少し上で聞けていることになります。
山伏山の脇を過ぎ、林道大厳寺線に合流すると、間もなく東頸城丘陵の大展望が拡がります。この辺り登りもぐいぐいですが、それだけにようやく涼しい風が吹き始めます。とりあえず熱中症からは助かって一安心です。
茂みが多いのであまり意識しませんが、かなり切り立った斜面に張り付くこの道。雲が正面からぶつかるのか、今日はかなりガスっぽいです。
道ばたには所々に残雪が登場。北向き斜面とはいえ、たかだか標高900mで7月上旬に残雪とは。
思えばこの道、6月上旬にはまだ雪の中なのです。そんなことわかっちゃいますが、改めてこの道の気候の厳しさを思い知らされます。
最後はこの期に及んで標高差100mを一気に駆け上がるこの峠最急勾配区間。
★:★、深坂峠着。晴れていれば素晴らしいはずの峠の大展望は、今日はまるっきり雲の中。ほとんど視界が効きません。まあこういう日もあります。さっきまで暑くてふらふらだったので、ここは涼しいだけ良しとせねば。
というわけで、あまり長居せずにささっと下り始めます。
霧の漂うブナ林は幽玄と静かな佇まい。
野々海池からは少しダート登りです。
程なく野々海峠着。さっきの深坂峠と違って全く展望が無く、あまり峠っぽい雰囲気も無く、単純に登りダートが下り舗装細道に変わるというだけのこの峠。そそくさと通過して下り始めます。
深坂峠とこの峠が似ているのは、峠下が最急区間だということ。その最急区間から、いきなりすとんと落ち込んだ壁のような斜面に放り出されます。
切り立ったブナ林のつづら折れ区間を急降下。ガスの中から次第に東頸城丘陵の視界が浮かんできます。
裾部分に降り、次第に丘陵に向かってどんどん高度を下げる道から、丘陵の景色が次第に近づくのがよくわかります。
★:★、菖蒲高原牧場着。★菱ヶ岳1号林道で安塚方面に向かうか、菖蒲に降りてしまうか少し考えますが、野々海峠から菖蒲高原牧場へ向かうといつも安塚方面へ向かっているし、春に訪れたときにも安塚方面の国道405を走っています。
そこで、今日は久しぶりの県道348へ降りてしまうことにしました。
田んぼの中を一目散に下る道に、かつて2001年のランドナーオフでみんなで登ったのを思い出します。
菖蒲からは少しだけ国道405へ。
ここでランドナーオフの前からもう長い間気になっていた蕎麦屋、というか食堂「ばんや亭」へ。やや遅めの昼食とすることにします。少し待った蕎麦はまあ普通の田舎蕎麦と言えば普通でしたが、久しぶりの頸城の夏景色の後、1日じゅう食べたかった蕎麦。蝉時雨の中、店内で一人落ち着いて食べる蕎麦は何とも楽しいのでした。
菖蒲を出発して県道229へ。頸城の南北方向谷筋では一番谷が狭く、景色が楽しい道です。
菖蒲で国道405から分岐してすぐの冷たい湧き水、観音清水も楽しみ。
元気を貰ってもうあと一下り。
大島からは番号が変わって県道13。
★:★、ほくほく大島到着。県道13でほくほく線をアンダークロスするのはしょっちゅうですが、意外にもこの駅で輪行作業するのは初めてです。
以前は確か喫茶店が併設されていたと思いますが、今はもう完全に無人駅になっています。まあ蝉時雨の中ひとりの輪行作業も静かで楽しい夏の午後なのでした。
記 2009/1/2